◆この記事の対象とポイント
- 頸髄損傷や身体障害のある方、そのご家族、介助をするヘルパーさん向け
- 浴槽に入りたいけど、自宅で安全にできるか不安な方へ
- 手すりを使わず、台・シャワーキャリー・滑り止めマットと介助で安全に入浴している実体験を紹介
- リフォームせずともできる方法あり。介助があれば湯船に入ることも可能!
頸髄損傷C6の私と入浴の現実
私は頸髄損傷C6の車いすユーザーです。指先はほとんど動かず、体幹も不安定なため、一人で浴槽に入るのは危険です。ですが、ヘルパーさんと工夫を重ねることで、自宅の浴槽に安全に入って湯船に浸かることができています。
入浴の流れと使っている道具
1. シャワーキャリーに乗り換える
まず車いすからシャワーキャリーに横トラ(横移動)します。これは濡れても大丈夫な素材でできていて、浴室内を安全に移動できる入浴専用の椅子です。
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2. 浴槽の横に台を設置
浴槽の高さに合わせた特注の台を使用しています。この台の上を通って、シャワーキャリーから浴槽のふちへとスライド移動します。
※この台は既製品ではなく、私の身体状況に合わせてオーダーメイドしたものです。
3. 浴槽のふちに横トラ
自分で、台の上から浴槽のふちに腰かけます。私は手すりは使っていませんが、ヘルパーさんに見守ってくださっているので安全に動けています。
4. 足を浴槽の中へ入れる
- 左足は自分で動かして浴槽の中へ
- 右足はヘルパーさんにまたがせてもらい、両足が浴槽に入ります
5. 浴槽内マットで安定性を確保
浴槽の底には滑り止めマットを敷いています。これにより座ったときにお尻が滑らず、安定した姿勢が保てます。
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浴槽から出るときの流れ
入るときと同じくらい、出るときにも安全対策が必要です。
1. 浴槽台ユクリアAirをセット
浴槽から出る際には、ヘルパーさんに「浴槽台ユクリアAir」を浴槽内に入れてもらいます。この台に腰かけることで、体の高さが上がり、ふちに移りやすくなります。
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2. 前から抱えてもらい「せーの」で移動
ユクリアAirの上に座った状態で、ヘルパーさんが前から脇を抱えてくれます。声をかけてもらいながら、「せーの」で浴槽のふちへ体を持ち上げてスライド。
3. 足の動きも入る時と同様に
- 右足は介助でまたがせてもらい
- 左足は自分で動かして浴槽の外へ
その後、台の上→シャワーキャリー→車いすと、元の順番に戻っていきます。
入浴中の工夫ポイント
- お湯の温度は38〜39度のぬるま湯に設定し、湯温計で確認
- 湯船に浸かる時間は10〜15分程度で疲れすぎないように調整
- 背中や届かない部分はヘルパーさんに洗ってもらう
- 入浴後はしっかりとタオルで体をふいて、褥瘡予防にも注意しています
使用している道具まとめ
道具名 | 用途 |
---|---|
シャワーキャリー | 浴室内で移動・入浴時に座るため |
特注台(オーダーメイド) | シャワーキャリーから浴槽ふちへの横トラ用 |
浴槽内マット | 湯船内での滑り防止・安定保持 |
浴槽台ユクリアAir | 浴槽から出るときに使用、高さを補助 |
※手すりは設置していません。支えはすべて介助で行っています。
自宅で浴槽に入ることの意味
自宅で湯船に浸かると、体がしっかり温まり、血行が良くなって体が楽になります。病院ではシャワー浴が中心でしたが、やっぱり湯船に入ると気持ちもリラックスできます。
「できる範囲で続けていく」ことで、日々の生活にも自信がついてきました。
まとめ:手すりなしでも、浴槽入浴はできる!
- 対象:浴槽に入りたい障害当事者とその介助者
- 結論:台とマット、介助を活用すれば、手すりなしでも安全に湯船に入れる!
「自宅のお風呂で浴槽に入るなんて無理」とあきらめていた私ですが、工夫次第で安心・安全に入浴は可能でした。大切なのは、無理せず、自分に合った方法を見つけることです。
自宅で入浴を楽しみたいと思っている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
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