おすすめ本シリーズ:エピクテトス『提要』

おすすめ本

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こんな人におすすめ

  • 不安や悩みで心が落ち着かない人
  • 自分らしく生きる方法を探している人
  • 障害や病気で制約を抱え、前向きに生きたい人
  • 哲学に興味はあるけれど難しい本は苦手な人

エピクテトスとは?

エピクテトスは、紀元1世紀の古代ローマで活躍した哲学者です。もともとは奴隷という立場で自由のない生活を送りましたが、解放された後に哲学を学び、人々に「どう生きるべきか」を語りました。

彼の考えは「ストア哲学」に属します。ストア哲学は「自分にコントロールできることと、できないことを分ける」ことを大切にします。他人の態度や天気のようにどうにもならないことに悩むのではなく、自分の考え方や行動を整えることに力を注ぐのです。

『提要』とはどんな本?

エピクテトス自身は本を書いていません。弟子のアリアノスが師匠の言葉をまとめたのが『提要』です。

だからこそ内容はとても実用的で、難しい哲学書というより「日常生活で役立つ心のマニュアル本」といえます。薄い本ながら、人生を支えてくれる知恵がぎゅっと詰まっています。

心に残る教え

コントロールできることに集中する

「私たちの力でどうにかできるものと、できないものがある」

これは『提要』の冒頭に出てくる有名な言葉です。

例えば試験の結果や他人の態度は完全には自分で変えられません。でも「どれだけ勉強するか」「どう受けとめるか」は自分次第。

イライラや不安の多くは「変えられないこと」に心を奪われる時に生まれます。だからこそ、自分にできることだけに集中するよう教えてくれるのです。

失うことを恐れない

エピクテトスは「大切なものは一時的に預かっているにすぎない」と言います。

友人や家族との時間も永遠ではありません。だからこそ「失う怖さ」より「今を味わう喜び」を大切にする。そう考えると心が軽くなります。

出来事ではなく受けとめ方を選ぶ

病気や事故、他人の無礼な態度など、自分では選べない出来事は多いです。

でも「不幸だ」と決めつけるか「これで忍耐を学べる」と考えるかは自分の自由。出来事そのものが苦しいのではなく、受けとめ方で心の状態が変わるのです。

障害を持つ私に刺さった言葉

私は車いすで生活しています。体の自由がきかず、できないことに落ち込む日もあります。

でも『提要』を読むと「体は不自由でも、心の持ち方は自由だ」と気づかされます。

歩けないことは変えられません。けれど「だから価値がない」と思うか「だからこそ工夫して生きよう」と考えるかは自分次第です。

エピクテトスは奴隷として制約の中に生きながらも、心の自由を見いだしました。その姿は、障害を持つ私にとって大きな励ましになります。

現代に生きる私たちへのメッセージ

現代は情報も人間関係も複雑で、SNSの言葉に傷ついたり、将来に不安を抱えたりする人が多い時代です。

だからこそ『提要』は「心の軸」を与えてくれます。

  • 他人に振り回されない考え方
  • 不安や怒りを減らす視点
  • 制約があっても自分らしく生きる勇気

これは健常者だけでなく、障害や病気を持つ人にとっても、強い支えになる言葉です。

読みやすくする工夫

『提要』は薄い本なので気軽に手に取れます。ただし翻訳によっては難しい表現もあるため、現代語訳や解説付きのものから始めるのがおすすめです。

注釈が豊富な解説書と一緒に読むと、言葉の意味がぐっと身近に感じられます。

まとめ

エピクテトス『提要』は、古代ローマで生まれた哲学書でありながら、現代の私たちにとっての「心の取扱説明書」といえる本です。

  • 自分で変えられることに集中する
  • 失う恐れから自由になる
  • 出来事よりも受けとめ方を選ぶ

障害を持つ私自身にも深く刺さる言葉が多く、毎日の心の支えになっています。

「不安や悩みに振り回されず、自分らしく生きたい」と願う人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

👉 次回の「おすすめ本シリーズ」では、同じストア哲学に学んだ別の本も紹介していきます。

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