頸髄損傷C6の車いすユーザーが伝えたい、痙性や痺れへの向き合い方

リハビリと日常

こんにちは。私は頸髄損傷C6の車いすユーザーです。事故によって首のあたりの脊髄(せきずい)をけがしてから、生活はがらりと変わりました。動かせる体の部分が限られ、毎日いろいろな工夫をしながら暮らしています。

その中でもとくに困っているのが、「痙性(けいせい)」と「痺れ(しびれ)」です。同じように頸髄損傷をした方や、そのご家族に少しでも参考になればと思い、私の対処法を紹介します。

痙性ってどんな感じ?

痙性というのは、筋肉が急にこわばったり、勝手に動いたりすることです。自分の意思とは関係なく、足がピーンと突っ張ったり、ビクッと動いたりします。私の場合は、夜中に足がつっぱって眠れなくなることもあり、地味だけどつらい症状のひとつです。

痺れの不思議な感覚

頸髄損傷のあと、私はときどき痺れのような感覚を感じるようになりました。とくに変化が出るのが右手のひらです。日常的にずっとしびれているわけではありませんが、決まって雨が降る2日前くらいになると、右手のひらだけがまるで剣山でザクザクと痛むような痺れに襲われるのです。

その痛みで夜中に目が覚めてしまうこともあり、そんなときは痛み止めの薬(カロナール)を飲んで、しばらく起きたままやり過ごすしかありません。

見た目には異常がないため、周りにはなかなか伝わりづらいですが、本人にとってはとてもつらい感覚です。最近では、「そろそろ雨が降るかな」と体で天気を感じるようになってしまったとも思っています。

私がやっている痙性・痺れの対処法

ストレッチと姿勢の調整

毎日朝と夜に、ゆっくりとしたストレッチをしています。自分一人では難しいこともありますが、介助してもらったり、できる範囲で手足を少し動かすだけでも効果を感じます。筋肉がゆるむと、痙性が少し落ち着くように思います。

また、ずっと同じ姿勢でいると体がこわばってくるので、車いすの角度を変えたり、クッションを使って座り方を調整したりすることも大切にしています。

呼吸を整えてリラックスする

意外かもしれませんが、心が緊張していると痙性や痺れが強くなることがあるんです。イライラしたり不安なときに、足が勝手に動いたりすることが私はよくあります。

そんなときは、深呼吸をゆっくり3回するようにしています。鼻から吸って、口からゆっくり吐く。それだけで体が少し落ち着いて、症状が軽くなることもあります。

最近は、リラックス音楽や呼吸法の動画を流しながら、ゆったりする時間をつくるようにしています。これなら誰でも簡単にできて、おすすめです。

薬を使うときは医師と相談して

痙性をやわらげる薬も使っていますが、これは人によって合う・合わないがあります。私は医師と相談して、自分に合った薬を少しずつ調整してもらいました。「薬に頼るのは悪いこと」と思わず、生活を楽にする手段のひとつと考えています。

おわりに:ひとりじゃない

痙性や痺れは、目に見えにくいけれど、毎日の生活に大きく影響します。私も最初は「なんでこんな体になったんだろう」と悩みました。でも、少しずつ工夫して、自分に合う方法を見つけていくことで、前よりも過ごしやすくなることがあります。

もし、同じように頸髄損傷で悩んでいる人がいたら、「あなたはひとりじゃないよ」と伝えたいです。つらいときは無理せず、まわりの人や医療スタッフに相談してくださいね。

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