車いすユーザーにとってのエレベーター事情

リハビリと日常

– 見えにくい不便さ、伝えたい大切なこと –

◆この記事の対象者と結論

  • 車いすユーザーや家族・介助者の方
  • 福祉・バリアフリーに関心のある人
  • エレベーターでのマナーに興味がある人

結論:エレベーターは車いすユーザーにとって「命綱」です。ほんの少しの気づかいが大きな助けになります。

■エレベーターは「選択肢」ではない

私たちは、ビルや駅で当たり前のようにエレベーターを使っています。でも、歩ける人にとっては「階段」や「エスカレーター」といった他の選択肢もありますよね。

ところが、車いすユーザーにとって、エレベーターは「唯一の道」です。

階段もエスカレーターも使えません。たとえ数段の段差でも、エレベーターがなければ前に進めないこともあります。

「乗れなければ、その日はもう目的地に行けない」

そんな場面も実際にあります。

■こんなことが困る!

◎エレベーターが小さい・狭い

特に古いビルでは、エレベーターがとても狭くて、電動車いすが入れないことがあります。入れたとしても向きを変えられず、降りるときに苦労することも。

◎途中で満員になって乗れない

駅やデパートなど、人が多い場所では、エレベーターがすぐに満員になってしまい、何本も見送ることになります。

特に、ベビーカー・大きな荷物を持った人など、いろんな人がエレベーターを使うので、「乗りたい」より「乗れない」時間が長くなることも。

◎点検・故障で使えない

駅で「ただいま点検中」と書かれていたらどうなるでしょう?

歩ける人なら階段に変えれば済みます。でも車いすではどうにもなりません。

目的地に着いても、エレベーターが使えなければ、トイレにも行けない、出口にも行けない。そのフロアに取り残されることもあります。

■ほんの少しの気づかいが、すごく助かる

◎奥から乗ってくれるとうれしい

車いすは方向転換に時間がかかります。先に乗る人が奥に詰めてくれると、車いすでもスムーズに乗れます。

◎階段が使える人はそっちを使ってもらえるとうれしい

もちろん混雑していないときは問題ありません。でも、駅のラッシュ時などは、階段やエスカレーターが使える人がそちらを選んでくれるだけで、車いすユーザーが乗りやすくなります。

◎「どうぞ」と声をかけてくれると安心

無理に譲ってほしいわけではありません。でも「乗れますか?」「どうぞ」と声をかけてもらえると、とても安心します。

■エレベーターは「誰でも使えるもの」でも…

もちろん、エレベーターは誰でも使える設備です。

でも、「他に手段がない人」が優先されるべき場面もあると思います。

車いすユーザーにとって、エレベーターは「便利なもの」ではなく、「生活の中のインフラ」、時には「命綱」です。

これは「かわいそう」だからではなく、単純に「必要だから」です。

■まとめ:エレベーターをみんなのために

私たちはお互いに、ちょっとした気づかいや配慮で、暮らしやすさを分け合うことができます。

エレベーターの前で「急いでないし、車いすの人に譲ろうかな」と思ったら、それだけで十分です。

「優しさ」ではなく「仕組み」として、バリアフリーが根づく社会へ

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