頸髄損傷で入院中のあなたへ― 将来が見えなくても、目の前の一歩が道をつくる ―

集中治療・病棟生活

頸髄損傷で入院していると、どうしても将来のことを考えて不安になったり、悲観的な気持ちになったりすると思います。今まで普通にできていたことができない。先が読めない。リハビリも思うように進まない。そんな状況で「前向きに」と言われても、正直、心が追いつかない日もあります。

でも、それは当たり前です。悲観的になるのは、あなたが弱いからでも、諦めているからでもありません。大きなケガを負い、人生が急に変わってしまったのですから、そう思うのは自然な反応です。

🧭 ただ、悲観していても状況は変わらない

つらい気持ちが消えるわけではありませんが、どれだけ考えても、どれだけ落ち込んでも、現実は良くも悪くも動きません。

「先のことを考えても答えが出ない」「動けないことに気持ちが引っ張られてしまう」そう感じる時こそ、視点を“未来”ではなく“今ここ”に戻すことが大切です。

🎯 目の前の“できること”に集中する

頸髄損傷のリハビリは、昨日できなかったことが今日いきなりできるわけではありません。でも、今日少しでもできたこと、気づけたこと、学べたことは確実に前進です。

  • 朝、昨日より少し早く起きられた
  • 昨日は1回しかできなかった動きが、今日は2回できた
  • 新しい装具のつけ外しが少し楽になった
  • 疲れていたけど、リハビリ室へ自力で行けた

一つひとつは小さなことでも、積み重なっていくと確かな進歩になります。

🚶‍♂️ 一歩ずつしか進めないけれど、一歩ずつなら確実に進める

頸髄損傷の回復は、まるで長い坂道をゆっくり登っていくようなものです。急に視界が開ける瞬間があるわけではないけれど、進んでみると「いつの間にか景色が変わっている」ことがあります。

そして、その景色は未来を想像して不安に沈んでいたときには見えなかった景色です。

いま孤独に感じていても、迷っていても、焦っていても、「昨日より少しできた自分」を積み上げていけば、必ず新しい道が開けてきます。

🏥 可能であれば「国リハ」や脊損専門病院に行くことを強くおすすめします

もし、これから転院の選択肢があるなら、国立障害者リハビリテーションセンター(国リハ)、あるいは脊髄損傷を専門としている病院を候補に入れることをおすすめします。

理由は単純で、圧倒的に情報量が多いからです。

生活の工夫、装具、車いす、排泄方法、入浴の仕方、住宅改修、仕事復帰、障害福祉制度、車の運転……。
一般病院では得られないような「脊損に特化した実践的な知識」が、国リハや専門病院には集まっています。

そしてなにより、同じような障害を持つ人と出会えるというのは大きな力になります。

🌱 完璧じゃなくていい。ゆっくりでいい。止まらなければいい

頑張れない日は頑張らなくていいし、落ち込む日は落ち込んでいい。ただ、気持ちが少し戻ってきたときでいいから、また一歩、取り組めることから始めてみてください。

例として取り組みやすいこと:

  • 深呼吸を数回して落ち着く
  • 5分だけストレッチをする
  • 装具のつけ外しを練習する
  • ナースコールを自分で押す
  • ベッド上で姿勢を変えてみる

本当に小さなことで十分です。あなたのその一歩は、必ず未来につながっています。

💬 最後に

あなたが今感じている不安、怒り、悔しさ、悲しさ。それらを否定する必要はありません。でも、その気持ちに飲まれてしまわないためにも、どうか「今日できること」に目を向けてください。

道は、遠くを眺めていても開けません。目の前の一歩を積み重ねることでしか、未来は形にならないのだと思います。

そしてあなたは、必ず前に進めます。
その力を、必ず持っています。

— 心からあなたの歩みを応援しています。これは私へのメッセージにもなります。

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